青蒼の夜半に、闇色の鳥を
「このッ!」

 ぎり、とシェイスが睨んだ先。

「では、ひとつ質問を。

 あなたは、王が目の前で斬り殺されたとしたら、どうしていましたか?

 刃で贖われた死を、王が迎えていたとしたら」

 静かな表情で、ラザーが問う。

「兄上?」

 訝しげな、なにも知らない憐れなウルジャスの呼び掛け。

 少しずつ末端の感覚が剥ぎ取られていく足を引き摺って、シェイスは剣を構え直す。
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