青蒼の夜半に、闇色の鳥を
「王を殺した私が、どう裁かれるかは理解しています。

 だからこそ、どうかあなたの手で殺して欲しい」

 冷たい床から、冷気が這い上がる。

 強張った指先から、力が抜けていく。

 ラザーの言葉だけが、深く、深くウルジャスの内側に食い込んで、操られる。

「兄上が、王を殺した」

「ええ」

 ふたりの王の息子が、死せる王の棺を前に剣を見詰める。

 静かに、ウルジャスは吐息を吐いた。

「ならば、俺のすべきことは、決まっている」

 手から剣を抜き取ると、ラザーは、安堵の笑みを浮かべた。

 そのまま、ゆっくりと眸を閉じる。

 ウルジャスと同じ、青蒼の眸を。
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