青蒼の夜半に、闇色の鳥を
「アギ、そいつらを引き剥がしな!」

 シェイスの鋭い一喝に、ウルジャスの身体が跳ね飛ばされる。

 床に両手を着いて見上げれば。

 漆黒の布で顔を隠しても仏頂面を見て取れる男が、ウルジャスから奪った剣を放り投げるところだった。

 無防備になったラザーの許に、大刀を構えたシェイスが走る。

 うっすら、ラザーが微笑んだ気がした。
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