青蒼の夜半に、闇色の鳥を
「王もまた、あなたに願いを叶えて貰ったのですか?」

 無言の応え。

 凪いだ灰色の双眸。

 身勝手に願いを叶えるだけの、女神の傀儡。

 こんな女には、憐れみしか感じない。

「参考までに教えて頂きたい。

 王は、あなたになにを願ったのです?」

「賭けに負けた己に、深い眠りを」

「賭け?」
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