青蒼の夜半に、闇色の鳥を
死の理由は、蛮族の長姫。
だが腐っていたのは王自身。
死は、彼自身の意思だとウルジャスには割り切れる。
だが、知ればシェイスは苦しむだろう。
迷惑な父だった。
「王は、蛮族の小娘とやらをどう想っていたのでしょうか」
「知らぬ。わたくしは願いを叶えるだけの存在だ」
素っ気なく、インシアが突き放す。
運命の女神アッバースの巫女として、
幸運をもたらすために辺境の国へ嫁いで来た女。
誰も知人のいない異郷で彼女が生きるためには、求められる役割を果たすしかなかった。
そう考えれば恨みよりも、憐れみが先に立つ。
もう、恨みなど感じるほどの情を傾けうる相手でもなかった。
だが腐っていたのは王自身。
死は、彼自身の意思だとウルジャスには割り切れる。
だが、知ればシェイスは苦しむだろう。
迷惑な父だった。
「王は、蛮族の小娘とやらをどう想っていたのでしょうか」
「知らぬ。わたくしは願いを叶えるだけの存在だ」
素っ気なく、インシアが突き放す。
運命の女神アッバースの巫女として、
幸運をもたらすために辺境の国へ嫁いで来た女。
誰も知人のいない異郷で彼女が生きるためには、求められる役割を果たすしかなかった。
そう考えれば恨みよりも、憐れみが先に立つ。
もう、恨みなど感じるほどの情を傾けうる相手でもなかった。