青蒼の夜半に、闇色の鳥を
「……シェイス・リン」
なにも知らず、己の影を追い掛けていた少女。
気紛れであれ、父王が求め、手に入れられなかった女の名。
――ウルジャスのこころは、決まった。
「俺も王と同じ賭けをすることを、あなたに……アッバース女神の巫女たるあなたに誓いましょう。
もし俺も賭けに負けたのなら、王に渡したものと同じ代物を俺に。
そうでなければ」
「そうでなければ?」
「あなたが、それを受け取れば好い」
にやりと、ウルジャスは笑う。
女神の神威を借りてひとを操るなら、己も踊れば好い。
なにも知らず、己の影を追い掛けていた少女。
気紛れであれ、父王が求め、手に入れられなかった女の名。
――ウルジャスのこころは、決まった。
「俺も王と同じ賭けをすることを、あなたに……アッバース女神の巫女たるあなたに誓いましょう。
もし俺も賭けに負けたのなら、王に渡したものと同じ代物を俺に。
そうでなければ」
「そうでなければ?」
「あなたが、それを受け取れば好い」
にやりと、ウルジャスは笑う。
女神の神威を借りてひとを操るなら、己も踊れば好い。