青蒼の夜半に、闇色の鳥を
 インシアは片頬に手を当てて、思案する素振り。

 流石に死の匂いに怯えることなく、

 ただ簡単な選択に迷うような仕草は、あどけなくさえ見えた。

「どちらでも好い。戯言です」

 誓う相手は所詮、女神などではなく自分自身。

 そう決め込んで扉に足を向けてふと、ウルジャスはひとつの問いを投げた。
< 242 / 264 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop