青蒼の夜半に、闇色の鳥を
「誰かの運命を揺らし、歪め、動かすためだけに仮初の神託を紡ぐ。
ひとの願いを叶え、ひとを殺し、罪の穢れを呼ぶ。
運命の女神アッバースの使徒として、それだけしか知らない哀れな巫女殿。
ねえ、母上。
そもそもあなたの願いはなんなのですか?」
「……わたくしの、願い?」
「そう。ささやかでも、叶ったものでも、諦めたものでも。
あなたの、本当の希みは? 女神は、それを叶えてくださったか?」
叶わぬ願いが返って来ることを期待しながら、訊ねる。
インシアは窓の外に視線を投げ。
ウルジャスの顔の破片ひとつひとつを取り上げるように見詰め、そうして。
ふっと、緩い笑みを浮かべた。
ひとの願いを叶え、ひとを殺し、罪の穢れを呼ぶ。
運命の女神アッバースの使徒として、それだけしか知らない哀れな巫女殿。
ねえ、母上。
そもそもあなたの願いはなんなのですか?」
「……わたくしの、願い?」
「そう。ささやかでも、叶ったものでも、諦めたものでも。
あなたの、本当の希みは? 女神は、それを叶えてくださったか?」
叶わぬ願いが返って来ることを期待しながら、訊ねる。
インシアは窓の外に視線を投げ。
ウルジャスの顔の破片ひとつひとつを取り上げるように見詰め、そうして。
ふっと、緩い笑みを浮かべた。