青蒼の夜半に、闇色の鳥を
 重なる眸は同じ彩だ。

 左目はウルジャスと同じ、深みのある底が見えない青と蒼。

 ただし、青年の顔の右側は長い金髪に隠れ見定められない。

 蒼いのか。

 紅いのか。

 黒いのか。

 青蒼の眸を持つ青年――ラザーは慣れたもの。

 ウルジャスの不機嫌など気にもせず腰を屈め、手にした盆を床に置いた。
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