青蒼の夜半に、闇色の鳥を
「ウルジャス様。

 こんな身体の私が王になることはできません。

 それ以前に、私は元々、王になどなるつもりはありませんでした。

 むしろこの眸は口実。

 生まれの卑しい私よりも、アッバースの巫女を母とするあなたの方が王に相応しい」

「そんな理屈あるか。

 頭の緩い俺よりも、明晰な兄上の方が相応しい。

 まだ成人前の俺よりも、すでに屋敷を持つ年齢の兄上の方が相応しい。

 あんな女の胎から生まれたガキよりも、兄上の方が絶対に、相応しい。

 兄上以外は王宮中王都中皆、そう思っている!」
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