青蒼の夜半に、闇色の鳥を
 なぜ、と思う。

 いくら疑問を投げ付けても、詰っても、ラザーは変わらない。

 その理由を薄々ウルジャスとて感づいているから、余計に腹立たしくてやり切れない。

 ――なぜ、と舌打ちするしかない。

「女神なんて大嫌いだよ。

 父上だって大嫌いだった。

 あの女も、とっとと死ねば好い」

 ――巫女の衣を身に纏い神に仕えた身でありながら、実の子に毒を盛ろうと図った。

 外側ばかり美しいあの、母も。
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