青蒼の夜半に、闇色の鳥を
「女神なんて、なんの役にも立たない。

 半端に綺麗なもんなんて目障りなだけだ」

 軋む声で吐き捨てる。

 本当ならこの場所から逃げ出してやりたい。

 でも、できない。

 『自分なんて相応しくない』

 そう喚きながらもつまらない殯の掟にさえ縛られている己が、ウルジャスは心底、一番疎ましく思った。
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