青蒼の夜半に、闇色の鳥を

・2・

「―――――ッ!」

 声にならない悲鳴をあげて、シェイスが冷たい床から跳ね起きた。

「どうした!?」

 思わず、ウルジャスは彼女に駆け寄る。

 シェイスの漆黒の眸。

 なにもかもを飲み込む深い双眸が、いまは底なし沼のよう。

 ウルジャスを通り越し、虚ろになにかを探している。
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