青蒼の夜半に、闇色の鳥を
「お前、王の死を知りたいと云ったな」

「ええ。

 もしも誰かに殺されたのならば、あたしはそいつを殺す。

 誰を殺してもあのひとは死んだまま。

 そんなにわかっている。

 でもね、それしかあたしにはできないもの」

「あんた……王の、恋人だったのか?」

 出会ってからずっと引っ掛かっていた問い。

 口にすると、今更な気がした。

「誓っても好いけど、王の手に触れたこともない。

 接吻もしたことがない。

 とんでもないわ」

 面白そうに、シェイスが首を振る。

 そうして、ぽつんと付け足す。

「ただ、苦しそうだった。あのひと」
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