~君は死んで、僕は読書~
「どうして、君が……?」

訊かずにいられない僕に、君は答えた。

なぜか薄い表情は、笑っているのに、恐ろしかった。

「だって、こうなる運命だったでしょう?」

「運命だったなんて……そんなっ。もしかしたら、治療が上手くいってたかもしれないじゃないか」

「ううん。もう意味のないことだけど、それは絶対になかったって言い切れるわ。だって……アナタがいるから」

彼女の言葉に、絶句する。

僕がいたから?

僕がいたから、彼女は死ぬ運命だったのか?

そんな!!
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