【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜
混同スパイラル
三日間の謹慎後、週末を挟んだ月曜日。里佳子が教室に戻って来た。
リーダーだった里佳子は、今やクラスメイトから私と同じ、異質な者として扱われている。
でもそれは、里佳子だけでなくあの子も同じ。せっかく里佳子から除外された後にリーダグループに返り咲いたのに、騒ぎが起きてまた独りぼっち。
「何だかこの学校という一つの箱の世界の中は複雑で、浅はかで馬鹿らしいよね」
こういう事を言葉に出してしまうところはまだまだヒューマノイドロボットらしいルイ。
でも、ルイの言う事は正しい。この箱の中で形成された社会は、どんなにちっぽけだとしても複雑に絡み合い、考えは、形成される理由達は浅はかで、傍観者から見れば幼稚で馬鹿らしい物なのだ。
「お前の言う事はスッゲー正しいよ。馬鹿らしいよな。自分の言いたい事言えねー奴らでぐっちゃぐちゃ。今じゃ澄ました顔して馬鹿にしてた笑里の気持ち良く分かるわー」
「里佳子、私は馬鹿にはしてませんよ」
無表情のルイの小さな頭をグリグリ撫でながらクラス中に聞こえるように言ったのは無論里佳子で、登校してすぐさまだからか、鼻の頭が外の寒さでまだ赤い。