【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜
男女混合の五人組の班を、学級委員を中心に決めて行く。


けれど、高校二年生のこの時期になれば男女共にグループが出来上がっていて、話し合いはなかなか進まない。


こういう時、私のような異質な存在やクラスで弱い立場の人間は楽だ。だって、余ったところに入れば良いのだから。


どうやら、人気者の嶋山成と取り巻きの二人、それから御堂里佳子とその取り巻きの四人を中心に、話が纏まらないよう。


いや、それだけじゃない。今回は新たな火種が存在していた。


突然現れた美貌の転校生、ルイもその纏まらない不毛な話し合いの渦に巻き込まれている。


これを機会にルイに近付きたいほとんどの女子や、その女子の中に意中の相手がいる男子。


ルイの意見等関係なく、その不毛さはずくずくと膨れる一方。


それを遠巻きに見ているのは、大人しい三人グループの女子と、二人組の男子。


それから、私と、クラスの誰にも相手にされていない文学男子の楠本燭(くすもとあかり)だ。
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