【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜
どれだけ眺めていても、生きながら死んだ私と、傍らに機能しないロボットが白い箱の中に詰め込まれた世界が変わることは無い。


この生きた心地のしない世界はきっと、ルイが現れる前の、成や里佳子や燭を大切だと思う前の私の中身そのものなのだろう。


今は少しでも変わったのだろうか。本当の意味で色のないこの箱の中身は今は少しでも違う風になっただろうか。


暗闇の方がまだマシだ。黒は、色がある。その感情が負だとしても、それは立派な色。


ふわふわと浮かぶ今の私までもが白に没落しそう。気が狂って、なのに誰にも気づかれないまま白の中に揉み消されてしまいそう。


救って、誰か、誰か。


声にならない声を喉から絞り出そうとするのに、ぐっと何かが詰まってそれは出ない。それこそが、私の罪の重しなのか。


「ねぇ、お前はどんな色で笑う子だったの?俺見てみたいなぁ」


白に侵食されそうだった私に届いた声は、どこか聞いた事があるような、彩り豊かな声。
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