【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜
「この屋敷内にカメラが三代あるね。アカリ、君ならカメラの死角からナルのところへ行く方法が分からないかな」
サーモグラフィーのようになっている映像の上にグリットが現れ、監視カメラの位置まで正確に見えた画面。
その画面からまた音声アナウンスのようにルイの声が響き、それに対して考えるように眼鏡のフレームを触っていた燭が息を吐く。
「うーん、言葉で指示を出すのは少し難しいけど、ルイの身体能力を考えれば行けるルートは二パターンあるかな」
「それじゃあ、最短ルートの方を画面に指で書いてくれる?」
ルイの声に、燭はカメラの死角になるように指で描く。すると、画面上に赤いルートがそのまま示された。
「ありがとう。信じてこの通りに行かせてもらうよ」
ルイの声を最後に、映像は実際の映像へと切り替わり、ぐんぐん進んで行く。
「おお……な、何か興奮する」
「バカお前、ゲームじゃないんだぞ!興奮してる場合か!」
ゲームのような非現実的な状況に思わず声を上げたであろう燭を引っぱたいた里佳子は、最初こそ感心している様子だったか妙に冷静だ。
「よくよく考えれば、非現実的なのなんか今に始まった事じゃねぇよ。それがルイって野郎だよな」
こんな状況でも笑ってみせる里佳子のその言葉は、きっとルイの糧になる。だって、ルイじゃない私がこんなに嬉しく思う一言なのだから。
サーモグラフィーのようになっている映像の上にグリットが現れ、監視カメラの位置まで正確に見えた画面。
その画面からまた音声アナウンスのようにルイの声が響き、それに対して考えるように眼鏡のフレームを触っていた燭が息を吐く。
「うーん、言葉で指示を出すのは少し難しいけど、ルイの身体能力を考えれば行けるルートは二パターンあるかな」
「それじゃあ、最短ルートの方を画面に指で書いてくれる?」
ルイの声に、燭はカメラの死角になるように指で描く。すると、画面上に赤いルートがそのまま示された。
「ありがとう。信じてこの通りに行かせてもらうよ」
ルイの声を最後に、映像は実際の映像へと切り替わり、ぐんぐん進んで行く。
「おお……な、何か興奮する」
「バカお前、ゲームじゃないんだぞ!興奮してる場合か!」
ゲームのような非現実的な状況に思わず声を上げたであろう燭を引っぱたいた里佳子は、最初こそ感心している様子だったか妙に冷静だ。
「よくよく考えれば、非現実的なのなんか今に始まった事じゃねぇよ。それがルイって野郎だよな」
こんな状況でも笑ってみせる里佳子のその言葉は、きっとルイの糧になる。だって、ルイじゃない私がこんなに嬉しく思う一言なのだから。