【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜
「そう……。それなら大丈夫だね」


「はい。大丈夫です。ちゃんと、望めていますから」


私の罪の先にある真実は、もう聞かなくても大体予測がついてしまう。それだけの記憶の断片である夢や要素、伏線の回収はされてしまったけれど、それでも、全部をちゃんと知りたい。


「リカコのお母さんがね、連日お世話になるんだからって煮物いっぱい持たせてくれたんだって。ボクもお味噌汁を用意したから、皆で食べよう。食べて、全員で落ち着いてからこれからの事を話そう」


これからの事とは、おそらく真実が全部判明した後の話。私がそれを知ってどうするかという話。


そして、ルイが言いたいのは成の事もあるのだろう。


ここまで来てまだ「自分は大丈夫」なんて言っている成をどうすべきか。


……私の中ではその答えが決まっている。それは、成がもう辛い方へ逃げないように、幸せに向き合えるように、私に出来る事はちゃんとある。


ずっと拾い上げてくれていたこの神様を、今度は私が救う。気持ちの面だけじゃなく、物理的にも成を救えるように。
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