【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜
「エミリ、そんな顔をしないで。悲しみが分からないキミのままなのに、泣いているみたい。キミの涙をそれこそボクが奪っているみたい」
私は今、どんな顔をしているのだろう。悲しみがまだ、胸の奥に灯らない今、自分の状態を言い表せない。
「大丈夫だから。傍にいるよ。ボクは、ずっとキミの傍に」
懐かしい言葉だと思った。私にずっと寄り添って来たその温かい言葉。夢だけじゃない。今ここにいる私という存在が、記憶が、彼をそうだと確信しきっている。
「ルイは、ずっと傍にいてくれましたね。……昔から、ずっと。やっぱり、君は」
「もう、良い。言わなくても良い。キミが気付いてくれていると気付けただけで、これ以上の幸福は無いから」
その言葉が確固たる証拠だ。私の中だけの確信は、確実になって行く。
ルイはずっと傍にいた。どういう経緯を持って今の姿に変わったかは、多分父のする事だから難しくて理解出来ないけれど、ルイは、あの古びたロボットなのだ。
夢の中、あの私の記憶の断片の全てにいた君は、嬉しい時も、悲しい時も、孤独でも、痛くて辛い時も、私の側にいてくれた存在。
「キミの幸福が、ボクの幸福だよ、エミリ」
落ちる宝物。ひと雫、ふた雫、ルイの生きて来た軌道に、そっと光を灯すように。
私は今、どんな顔をしているのだろう。悲しみがまだ、胸の奥に灯らない今、自分の状態を言い表せない。
「大丈夫だから。傍にいるよ。ボクは、ずっとキミの傍に」
懐かしい言葉だと思った。私にずっと寄り添って来たその温かい言葉。夢だけじゃない。今ここにいる私という存在が、記憶が、彼をそうだと確信しきっている。
「ルイは、ずっと傍にいてくれましたね。……昔から、ずっと。やっぱり、君は」
「もう、良い。言わなくても良い。キミが気付いてくれていると気付けただけで、これ以上の幸福は無いから」
その言葉が確固たる証拠だ。私の中だけの確信は、確実になって行く。
ルイはずっと傍にいた。どういう経緯を持って今の姿に変わったかは、多分父のする事だから難しくて理解出来ないけれど、ルイは、あの古びたロボットなのだ。
夢の中、あの私の記憶の断片の全てにいた君は、嬉しい時も、悲しい時も、孤独でも、痛くて辛い時も、私の側にいてくれた存在。
「キミの幸福が、ボクの幸福だよ、エミリ」
落ちる宝物。ひと雫、ふた雫、ルイの生きて来た軌道に、そっと光を灯すように。