【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜
最終章『哀≒愛』
灯火リミット
美樹の城へと辿り着くと、私達よりも先に美樹はもう到着していて、ルイの背中を開いてメンテナンスを行っていた。
「美樹先生、ルイは……?」
「ああ、壊れたわけじゃないから大丈夫。ただちょっとスペック上げ過ぎて中で本体が熱を出して強制終了したみたいだ」
盛大な溜め息を落とした美樹は、やれやれと言わんばかりの表情を浮かべて作業を進める。
「成ー、保健室から袋に入れた氷持って来て。ちゃんと塩入りで」
「分かった。行ってくる!」
美樹の無気力な指示に成は頷き、すぐさま保健室へ走り出す。
「誰か小さめのタオルとか持ってない?とりあえずこれ冷やすから、成が持って来た氷袋包めるくらいの」
「俺のハンドタオルなら丁度良いかと。制服のポケットに入ってるので取ってきますね」
次の指示には燭が答え、燭もまた、足早に美樹の城から足早に立ち去って行く。
美樹の感じからして、どうやらルイは大丈夫そうだ。張り詰めていた気持ちがようやく少し綻ぶ。
しかし、私とは反対に里佳子は深刻そうな顔で顎を触り、表情も暗いまま。
「美樹先生、ルイは……?」
「ああ、壊れたわけじゃないから大丈夫。ただちょっとスペック上げ過ぎて中で本体が熱を出して強制終了したみたいだ」
盛大な溜め息を落とした美樹は、やれやれと言わんばかりの表情を浮かべて作業を進める。
「成ー、保健室から袋に入れた氷持って来て。ちゃんと塩入りで」
「分かった。行ってくる!」
美樹の無気力な指示に成は頷き、すぐさま保健室へ走り出す。
「誰か小さめのタオルとか持ってない?とりあえずこれ冷やすから、成が持って来た氷袋包めるくらいの」
「俺のハンドタオルなら丁度良いかと。制服のポケットに入ってるので取ってきますね」
次の指示には燭が答え、燭もまた、足早に美樹の城から足早に立ち去って行く。
美樹の感じからして、どうやらルイは大丈夫そうだ。張り詰めていた気持ちがようやく少し綻ぶ。
しかし、私とは反対に里佳子は深刻そうな顔で顎を触り、表情も暗いまま。