【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜
やり取りの意図が分かっていない嶋山成や御堂里佳子は、ポカンとしたままルイを見ている。


ルイが再びこちらを向くと、今度は迷わず御堂里佳子の方へ向かい、何をするのかと思えば、さっきと同じように素早く御堂里佳子の手を取る。


何か文句を言いたげな御堂里佳子だけど、ルイの美しさに言葉が詰まっているようで、結局はルイのなすがまま。


「リカコの方は時間が空いちゃったから良く分からないな」


「お……お前なんなの?エスパーかよ。キモ」


いつもの気の強い御堂里佳子はなりを潜め、ペースは完全にルイのもの。


「とりあえず触んな、離せ」


「状況が分析出来ればね。リカコとアカリは、ただのクラスメイトじゃないの?それならボクに詮索されても、何も困らないよね」



ヒューマノイド故に、ルイには、人には入り込まれたくない部分が誰にでもあるという事が分からない。


だから聞くのだ。ただ、人間というものを分析して、ただ自分のデータを蓄積する為に。
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