【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜
「リカちゃん、言ってる事は良い事なんだけどさ、それ止めようね。されたら結構痛いから」


「イテェ!燭!テメェ手加減しろや!お前と違ってアタシは非力な女子なんだよ!」


そんな里佳子の、本能的に生きる部分が短所になった時に和らげてくれるのが燭。


里佳子が私にしたように、里佳子の頭をその大きな掌でグリグリと撫で回す燭は、顔は爽やかな笑でも割と手には力がこもっている。


「リカちゃんが非力な女子なら、生きる殆どの女の人が非力なんじゃない?」


「テメェこの!笑ってんじゃねぇよ!」


自然とじゃれ合い、それを嫌味としない二人は深いところで繋がっていて、多分どう足掻いても離れられない関係なのだと見ているこちらにも分かるくらいだ。


もし、私とルイが普通の人間同士だったら私達も或いは二人のような。


……何故私はこんな事を考えている。そうだったとしてもそうなれないかもしれない。ルイが傍にいてくれたからこそ、私達は繋がっていられるのに。


不毛な無いものねだりでしかない。こんな事、考えるだけおかしな事なのに。
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