【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜
ルイは嶋山成の言う通り、御堂里佳子からホチキスを預かって代わりに作業を始める。
「じゃあ、悪いね片岡。お前の家族とこの馬鹿お奉行に甘えて先に帰らせて貰うよ」
「お気遣いなく。大丈夫ですよ」
やはり、御堂里佳子には私に対して特別な感情は無い。素直にそういう事を言えるのだから。
そういう部分を見抜いてか、ルイや嶋山成、そして私も、薄々楠本燭と御堂里佳子の間に何かあると分かってしまったし、そう思われてると彼女自身も気づいているのだろう。
「片岡ぁ、余計なお世話かもしれないけど、もう少し笑ったりすれば?せっかく美人なのに」
そう。ただ、素直なだけなのだ。
私は答えるに答えられなくて会釈をすると、御堂里佳子は困ったように笑う。
「ったく……絶対修学旅行終わるまでにそのムカつく涼しい顔、笑顔にでも怒り顔にでも、泣き顔にでもして崩してやるから覚悟しなよ」
そして、会釈していた私の頭をぽふ、と性格に反して女の子らしい指の細い小さな手で軽く叩いて、御堂里佳子はすたすたと教室を後にした。
「何か、御堂って思ったより姉御だよな。カッコイー」
「間違いなくナルよりはカッコイイんじゃない?」
御堂里佳子の言葉と行動が予想外で動きを止めていた私の横で、嶋山成とルイはそんな会話をし始めていた。
「じゃあ、悪いね片岡。お前の家族とこの馬鹿お奉行に甘えて先に帰らせて貰うよ」
「お気遣いなく。大丈夫ですよ」
やはり、御堂里佳子には私に対して特別な感情は無い。素直にそういう事を言えるのだから。
そういう部分を見抜いてか、ルイや嶋山成、そして私も、薄々楠本燭と御堂里佳子の間に何かあると分かってしまったし、そう思われてると彼女自身も気づいているのだろう。
「片岡ぁ、余計なお世話かもしれないけど、もう少し笑ったりすれば?せっかく美人なのに」
そう。ただ、素直なだけなのだ。
私は答えるに答えられなくて会釈をすると、御堂里佳子は困ったように笑う。
「ったく……絶対修学旅行終わるまでにそのムカつく涼しい顔、笑顔にでも怒り顔にでも、泣き顔にでもして崩してやるから覚悟しなよ」
そして、会釈していた私の頭をぽふ、と性格に反して女の子らしい指の細い小さな手で軽く叩いて、御堂里佳子はすたすたと教室を後にした。
「何か、御堂って思ったより姉御だよな。カッコイー」
「間違いなくナルよりはカッコイイんじゃない?」
御堂里佳子の言葉と行動が予想外で動きを止めていた私の横で、嶋山成とルイはそんな会話をし始めていた。