【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜
タクシーで成の別荘へと急いで帰り、ルイの背中からすぐにコードを引っ張り出して、充電を始める。
成は父へ、燭は美樹へそれぞれ連絡し、今どうすべきか、混乱の中でも冷静に対処していた。
里佳子はまだ夢うつつの私の手を黙って握り、たまにルイの熱くなった本体の氷を替えて応急処置を施し、また私に寄り添う。
「きっと、ずっと前から気付いてました。私、ルイを愛してる。なのに、この気持ちが愛だと今になって知りました」
「アホ。お前以外の全員が、お前らが愛し合ってんのに気付いてんだよ。アタシが燭を恋も含めて愛してるっつうのと同じ感情とか、成がお前を愛してる宗教めいた同族愛とか全部含めたぐちゃぐちゃの重たいやつだってな」
盛大な溜め息を落とした里佳子は、ゴツンと拳で痛くない肩パンチを私に送る。
「このポンコツが目ぇ覚ましたら、今度こそ泣いて愛してるって言ってやれ。んで、アタシらの目の前で海外の映画みたいなぐっちゃぐちゃなキスでもして見せろ」
「生々しいです。でも……伝えたい。私が今度はルイに貰い過ぎた分を、返す番なんです」
だから、このまま終わりなんてあまりにも残酷過ぎる。君に返すものが沢山あるのに、このままだなんて嫌だ。
成は父へ、燭は美樹へそれぞれ連絡し、今どうすべきか、混乱の中でも冷静に対処していた。
里佳子はまだ夢うつつの私の手を黙って握り、たまにルイの熱くなった本体の氷を替えて応急処置を施し、また私に寄り添う。
「きっと、ずっと前から気付いてました。私、ルイを愛してる。なのに、この気持ちが愛だと今になって知りました」
「アホ。お前以外の全員が、お前らが愛し合ってんのに気付いてんだよ。アタシが燭を恋も含めて愛してるっつうのと同じ感情とか、成がお前を愛してる宗教めいた同族愛とか全部含めたぐちゃぐちゃの重たいやつだってな」
盛大な溜め息を落とした里佳子は、ゴツンと拳で痛くない肩パンチを私に送る。
「このポンコツが目ぇ覚ましたら、今度こそ泣いて愛してるって言ってやれ。んで、アタシらの目の前で海外の映画みたいなぐっちゃぐちゃなキスでもして見せろ」
「生々しいです。でも……伝えたい。私が今度はルイに貰い過ぎた分を、返す番なんです」
だから、このまま終わりなんてあまりにも残酷過ぎる。君に返すものが沢山あるのに、このままだなんて嫌だ。