【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜
感情はあるのに、ちくちくして、いや、本当はちくちくなんてレベルでなく胸の奥が痛いのに涙さえ流せない。
だから早く目を覚ましてよ。やっぱり、君が泣いてくれないと、私はダメなままなんだ。
「こういう時、ハッピーエンドになるもんだろうが。ルイは大丈夫だ。大丈夫だ……」
もう、里佳子の言葉も私への言葉というより自分に言い聞かせているみたいで、私はそっと、里佳子の肩に頭を寄せた。
「何だよ、全部戻ったら急に甘えん坊か?」
「そうみたいです。私、寂しがり屋のどうしようもなく甘えん坊なのかもしれません。だからしばらくこうしてて、良いですか?」
こうしていれば、大切な人が傍にいると実感出来る。目の前でルイが目覚めないかもしれない不安を、誰かと背負える。半分に出来る。気休めでしかないのだけれど。
「笑里、里佳子、今からおじさんこっちに向かうって。……って、呑気だな。里佳子、がっつり寝てるよ」
父に連絡してくれたうえに、ホットコーヒーを持って来てくれた成は、さっき喋っていたのにもう寝てしまった里佳子に困ったように笑っている。
「喋ると凶悪でも、寝てると天使でしょ?俺の一番大切な女性は」
「うわ、燭キザだなぁ。でも、最初の一言は相変わらず『良い性格』だわ」
疲れを滲ませながらも何とか微笑んでくれてる二人に、私も無理をしてでも笑顔を向ける。
多分、皆が皆疲れてる。私の過去、ルイに起きた現在が、一気に重たくのしかかったからだ。
それでも、無理してでもいつも通りにしていたいのだ。ルイがいつでも目覚められるように。
だから早く目を覚ましてよ。やっぱり、君が泣いてくれないと、私はダメなままなんだ。
「こういう時、ハッピーエンドになるもんだろうが。ルイは大丈夫だ。大丈夫だ……」
もう、里佳子の言葉も私への言葉というより自分に言い聞かせているみたいで、私はそっと、里佳子の肩に頭を寄せた。
「何だよ、全部戻ったら急に甘えん坊か?」
「そうみたいです。私、寂しがり屋のどうしようもなく甘えん坊なのかもしれません。だからしばらくこうしてて、良いですか?」
こうしていれば、大切な人が傍にいると実感出来る。目の前でルイが目覚めないかもしれない不安を、誰かと背負える。半分に出来る。気休めでしかないのだけれど。
「笑里、里佳子、今からおじさんこっちに向かうって。……って、呑気だな。里佳子、がっつり寝てるよ」
父に連絡してくれたうえに、ホットコーヒーを持って来てくれた成は、さっき喋っていたのにもう寝てしまった里佳子に困ったように笑っている。
「喋ると凶悪でも、寝てると天使でしょ?俺の一番大切な女性は」
「うわ、燭キザだなぁ。でも、最初の一言は相変わらず『良い性格』だわ」
疲れを滲ませながらも何とか微笑んでくれてる二人に、私も無理をしてでも笑顔を向ける。
多分、皆が皆疲れてる。私の過去、ルイに起きた現在が、一気に重たくのしかかったからだ。
それでも、無理してでもいつも通りにしていたいのだ。ルイがいつでも目覚められるように。