【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜
そんなルイの願いに、里佳子はぼたぼたと涙を落としながら、唇の端を片方持ち上げた。
「う、嬉しいに、決まってんだろ!アタシの事馬鹿にしやがるポンコツの小言、もう聞かねぇで済むんだからな!」
精一杯、ルイの望むように喜んだふりをする里佳子。強がりだと分かる、まっすぐな彼女の分かりやすい嘘。精一杯の虚勢。
「そこで指咥えて見てろ!お前がいないところで、アタシはこれからもいっぱい、いっぱいコイツらと喜びを分かち合って長生きしてやっから!」
何て優しい嘘なのだろう。彼女の嘘すら愛おしい。多分、ルイもそう思うだろう。
「リカコ、ありがとう。キミが齎した楽しい時間が、共有出来た時間が、ボクの何よりの喜びだった」
ルイの言葉に、震えながら耐えていた里佳子が、声を上げて崩れ落ちた。
もう二度と、ルイと時間を共有出来ない事を惜しみ、残された言葉に喜びを秘めながら。
光の映像の中のルイは、そんな里佳子の姿を見守るように、しばらく穏やかに微笑み、ゆったりと瞬きをした後、鳥の囀りのような心地よいハイトーンボイスを再び響かせる。
「う、嬉しいに、決まってんだろ!アタシの事馬鹿にしやがるポンコツの小言、もう聞かねぇで済むんだからな!」
精一杯、ルイの望むように喜んだふりをする里佳子。強がりだと分かる、まっすぐな彼女の分かりやすい嘘。精一杯の虚勢。
「そこで指咥えて見てろ!お前がいないところで、アタシはこれからもいっぱい、いっぱいコイツらと喜びを分かち合って長生きしてやっから!」
何て優しい嘘なのだろう。彼女の嘘すら愛おしい。多分、ルイもそう思うだろう。
「リカコ、ありがとう。キミが齎した楽しい時間が、共有出来た時間が、ボクの何よりの喜びだった」
ルイの言葉に、震えながら耐えていた里佳子が、声を上げて崩れ落ちた。
もう二度と、ルイと時間を共有出来ない事を惜しみ、残された言葉に喜びを秘めながら。
光の映像の中のルイは、そんな里佳子の姿を見守るように、しばらく穏やかに微笑み、ゆったりと瞬きをした後、鳥の囀りのような心地よいハイトーンボイスを再び響かせる。