【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜
「ナル……キミは、ボクにとっても神様だったよ。エミリをずっと守ってくれてありがとう。生きていてくれてありがとう。そして、キミを救えないままで、本当にごめんね」
成はまだ、根本的に抱えているものを解決出来ていない。いつも人の事を拾う神様は、自分の大切な感情を一つ、捨てたまま。
ルイにとって、それを手助け出来なかった事は心残りなのだろう。穏やかだった表情が、心を持って光の映像の中で少し曇る。
「キミがいたから誰もあぶれないで幸福を感じられると思うよ。だけど、キミはいつか突然消えてしまうんじゃないかって、ずっと怖かった。本当の意味で救えない無力さがとても腹立たしいよ」
「さ、先に消えた奴が何言ってんだよ!勝手過ぎるよ!俺だって、お前を救えなかった事、何かこう……っ!うぅ……」
辛抱堪らず泣き出した成の叫び声は、今まで彼から聞いた事の無い刺がある。ルイが成に取り戻して欲しかったものを、成は、今この場で拾おうと必死に手を伸ばしているのだ。
「ナルお願い、怒って。キミ達に何も言わずに先に逝くボクを。大切な人達を、愛する人を、悲しませながら眠るボクを」
十七歳にはあまりにも重過ぎる運命を受け入れる為に捨てた物を、ルイは命が尽きた後も共に手を伸ばし、拾い上げるのを手伝う。
成はまだ、根本的に抱えているものを解決出来ていない。いつも人の事を拾う神様は、自分の大切な感情を一つ、捨てたまま。
ルイにとって、それを手助け出来なかった事は心残りなのだろう。穏やかだった表情が、心を持って光の映像の中で少し曇る。
「キミがいたから誰もあぶれないで幸福を感じられると思うよ。だけど、キミはいつか突然消えてしまうんじゃないかって、ずっと怖かった。本当の意味で救えない無力さがとても腹立たしいよ」
「さ、先に消えた奴が何言ってんだよ!勝手過ぎるよ!俺だって、お前を救えなかった事、何かこう……っ!うぅ……」
辛抱堪らず泣き出した成の叫び声は、今まで彼から聞いた事の無い刺がある。ルイが成に取り戻して欲しかったものを、成は、今この場で拾おうと必死に手を伸ばしているのだ。
「ナルお願い、怒って。キミ達に何も言わずに先に逝くボクを。大切な人達を、愛する人を、悲しませながら眠るボクを」
十七歳にはあまりにも重過ぎる運命を受け入れる為に捨てた物を、ルイは命が尽きた後も共に手を伸ばし、拾い上げるのを手伝う。