【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜
教室に着くと、いつも通りがやがやと騒がしい。
「おはよー、片岡、ルイ!」
騒がしくて誰が来たかなんて分からない程なのに、それでも輪の中心の嶋山成は私達に気付いて、ものの一番に挨拶をしてくる。
「おはよう、ナル」
「おはようございます嶋山君」
それに自然に答えたルイにつられ、私も自然に挨拶と会釈を返すと、嶋山成は輪の中心で固まり、そしてぶわっと涙を流した。
「げ!成何泣いてんの怖い!」
私やルイの気持ちを代弁するように、取り巻きの男子がそう冗談っぽく尋ねる。
「だって!お前ら見てただろ!?毎日懲りずに挨拶したり話し掛けてたのに塩対応だった片岡が、普通に挨拶返してくれたんだぜ!?」
それは泣くほど喜ぶ事なのだろうか、と思ってしまうが、嶋山成はオーバーではなく本当に泣いて喜んでいる。
確かに、今までそのような返しはしたこと無いかもしれない。初めての事に対して泣けたり、喜んだり出来るのは、嶋山成の人としての良いところなのだ。
「おはよー、片岡、ルイ!」
騒がしくて誰が来たかなんて分からない程なのに、それでも輪の中心の嶋山成は私達に気付いて、ものの一番に挨拶をしてくる。
「おはよう、ナル」
「おはようございます嶋山君」
それに自然に答えたルイにつられ、私も自然に挨拶と会釈を返すと、嶋山成は輪の中心で固まり、そしてぶわっと涙を流した。
「げ!成何泣いてんの怖い!」
私やルイの気持ちを代弁するように、取り巻きの男子がそう冗談っぽく尋ねる。
「だって!お前ら見てただろ!?毎日懲りずに挨拶したり話し掛けてたのに塩対応だった片岡が、普通に挨拶返してくれたんだぜ!?」
それは泣くほど喜ぶ事なのだろうか、と思ってしまうが、嶋山成はオーバーではなく本当に泣いて喜んでいる。
確かに、今までそのような返しはしたこと無いかもしれない。初めての事に対して泣けたり、喜んだり出来るのは、嶋山成の人としての良いところなのだ。