【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜
「アタシと燭さぁ、元々幼馴染みなんだわ。アイツ、昔からクールではあったけど、そこそこに優しかったし、アタシも一番気を置ける存在だったと思う」


話し始めた御堂里佳子は、ミニスカートから伸びる白く細すぎる足を外へと投げて、完全に私の隣へと座り込む。


「ってか、気の置ける存在っていうか、アタシは好きだったんだよね。で、多分アイツも」


何となく、そんな気はしていた。楠本燭と御堂里佳子は深い関係なんだと、昨日のやり取りで感じる事は出来ていた。


ルイも、嶋山成もそうだと思う。だからルイは、二人各々に触れて、目を見て、それが確かか分析したのだろう。


「関係が変わってしまったのは、お互いのせい。中学生の時に燭ん家に二人きりになった日、何となくで……しちゃったんだよ」


それについて言及せずとも、何をしてしまったのかは察しがつく。多分、その考え方で合っている。


やはりそのままではいられなくて御堂里佳子の方に顔を上げれば、悲しんでるようで、愛おしい気持ちに溢れた顔を、彼女はしていた。


ああ……彼女もまた、濁り無き綺麗な人種だ。
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