【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜
「寺、寺、テラテラテラテラぁぁぁ……!」
「ねぇ、リカコは一体どうしたの?」
一日目、歴史的建造物巡りコースを無事済ませた私達は、旅館へ向かう為にバスに揺られていた。
ルイはエコモードで気だるげなまま、里佳子をじっと見つめて私と楠本燭に尋ねる。
「お寺巡りでおかしくなったんだろ?俺は結構好きだけどなぁ、ああいう古き良き建物巡るの」
「おかしいのはお前だろ燭!見てみろ!嶋山やルイだって伸びちまってんじゃねぇか!」
まだまだ元気な様子の楠本燭の一言にスイッチの入った里佳子は、隣の座席でぐったりとした嶋山成とエコモードのルイを指差して怒り出す。
「ボクは基本こうでしょ。だいたい、ナルにしてもリカコにしてもどうしてあれくらいで疲れるの?体力バカのくせに」
「生意気!ルイこの野郎!ちょっと顔が綺麗だからって腹立つわ!」
さっきまで元気が無かったのが嘘のようにルイに食ってかかる里佳子に、私が今度は疲れそう。