【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜
ほんの数年前まで住んでいた場所……厳密に言えば、私の住んでいた町はもっと田舎なのだけど、その場所にまたこうして自分が居るのは、何だか気持ちが悪い。
「なんだ笑里、お前も元気ねぇな。城疲れ仲間か?」
「いつも、こんなもんですよ」
「いいや、確かにいつもクールに澄ましちゃいるけど、アタシから見りゃ違う」
嫌だな、こうやって、人の微妙な変化に気付く人がずっと近くにいることは。
里佳子は私の頭をぱふぱふと撫でると、組んだ脚の高くなった膝に肘を立て、頬杖をつく。
「せっかく初めての土地に修学旅行に来たってのに、シケた面してんじゃねぇよ」
「してませんし、それに……私は、ここが地元です。初めてではありません、から」
そう。確かに私はここに数年前まで住んでいたし、あんなことををしなければ、多分今でも……。
「う、」
「笑里!?大丈夫か?やっぱり気分悪いんじゃねぇかよ。無理すんなよ」
気分が悪くなったのは自分が犯した罪のせい。だから、お願いだから、こんな私にその優しい手で触れないで。
「なんだ笑里、お前も元気ねぇな。城疲れ仲間か?」
「いつも、こんなもんですよ」
「いいや、確かにいつもクールに澄ましちゃいるけど、アタシから見りゃ違う」
嫌だな、こうやって、人の微妙な変化に気付く人がずっと近くにいることは。
里佳子は私の頭をぱふぱふと撫でると、組んだ脚の高くなった膝に肘を立て、頬杖をつく。
「せっかく初めての土地に修学旅行に来たってのに、シケた面してんじゃねぇよ」
「してませんし、それに……私は、ここが地元です。初めてではありません、から」
そう。確かに私はここに数年前まで住んでいたし、あんなことををしなければ、多分今でも……。
「う、」
「笑里!?大丈夫か?やっぱり気分悪いんじゃねぇかよ。無理すんなよ」
気分が悪くなったのは自分が犯した罪のせい。だから、お願いだから、こんな私にその優しい手で触れないで。