もう君がいない


「負けた〜。で?質問は?」


私は消えた線香花火を、水を入れたバケツに入れながら聞いた。

質問の内容が、そんなに深いものだとは考えてなくて、余裕でいたんだ。



「光貴のこと、好き?」

「えっ、、」


いきなりそんなことを言うから、私はびっくりしてしまって、一瞬で体に緊張が走った。


「な、なに急に、、」

「真実ゲームだけど?ちゃんと答えろよ。」

「こんな質問、、!」


わざと意地悪してるでしょ!

そう言いたかったのに、私が見た蓮の顔は、すごく真剣で。


蓮は、真っ直ぐに私を見ていた。



「好きだよ。好きじゃなかったら、付き合ったりしない。」

「そっか。よし、じゃあ次な。」

「うん。」


必死の思いで答えたのに、蓮の反応は呆気なくて、私は少し拍子抜けした感じだった。


2本目の線香花火。


「嘘でしょ、、?」


私は、また負けた。


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