もう君がいない
「語りかけの術、全然効き目ねーじゃん。」
「うっ、うるさい!早く質問してよ!」
次は何を聞かれるんだろう。
そう考えると、自然と身構えてしまう私。
「最近悩んでるのは、俺のせい?」
「えっ?な、なんで?悩んでなんか、、」
「見てればわかるって。なんか悩んでんだろ?無駄にビクビクしてる。」
「そんなこと、、」
どうしてわかるんだろう?
私ってそんなにわかりやすいのかな?
昔から、すぐ顔に出るとよく言われてたから、頑張って治すようにしてたんだけど。
「言いたくないなら、内容までは聞かない。ただ、俺のせいなのかどうかだけ、はっきり言ってほしい。」
また真剣な目で真っ直ぐに私を見てくる蓮。
その目を見ると、ごまかせなくなる。
「蓮だけじゃない。色々考えることがあって、その中に蓮が関係してるのも事実。でも、それは蓮のせいじゃない。」
蓮のせいなんかじゃない。
全部、悪いのは私なんだから。