もう君がいない
「えっ、、何言ってるの?」
私は、考えもしなかったその質問に、とにかく驚いてしまった。
そして、蓮の顔を見ると、、
さっきまで真っ直ぐな視線を向けていた人と、同一人物だとは思えないほど、
すごく寂しそうで、辛そうな表情をして、うつむき加減な視線。
そんな蓮に、私は胸が締め付けられた。
「そんなことないよ。帰って来ない方がよかったなんて、そんなの考えたこともない。」
「本当に?じゃあ、俺、帰ってきてよかった?」
今にも泣きそうな目で、私に目線を上げる蓮。
どうしてそんな顔をするの?
私は、、
今すぐ蓮を抱きしめたい。
そう、思ってしまったんだ。
でも、そんなこと出来っこない。
「うん、嬉しいよ。蓮が帰ってきてくれて、元気になった蓮に会えて、私は嬉しい。だから、そんなこと言わないで。」
「ん。」