もう君がいない


「じゃあまた明日ね!二人とも!」

「うん、ばいばーい!」

「気をつけて。」


元気いっぱいに手を振る美雪。

私も手を振り返し、校門で別れた。



「ほんと元気だよな、美雪ちゃん。」

「うん。パワフル過ぎるくらいにね〜。」

「昔っからだよな。」

「いつも蓮は、美雪に背中叩かれてたよね。元気のおすそ分け〜って言って。」


そんな話をしながら、駅に向かって歩く。


私の歩幅に合わせて、ゆっくり歩いてくれる蓮。

そんなに大きいわけでもない傘なのに、私が全然濡れないのは、自分の右肩を濡らしながらも、私の方に傘を寄せてくれる蓮のおかげ。


光貴とだって、相合傘したことあるけど、どんなに気を遣ってくれても、さすがに少しは濡れたりする。

傘を持つ手が動いちゃったり、少し歩くタイミングがずれたり。


なのに、蓮は、、

蓮となら、、



「肩濡れちゃってるよ?傘、もうちょっと蓮の方に寄せなよ。」

そう言っては見るけど、答えはわかってる。

「ん、平気。」


やっぱり。


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