もう君がいない


電車を降り、駅を出て、また一つの傘に肩を並べて入る。

さっきまでと何も変わらないはずなのに、蓮に掴まれていた腕のせいで、妙に緊張してしまう。


、、こんなに近かったっけ?

一度意識しだすと、蓮との距離の近さに、どんどん緊張が増していく。



「ちょっ、!」

いきなり蓮に右腕を引かれ、右に動いた。


突然だったし、変に意識してたから、自分でも驚くほど大げさに反応してしまう。


「なっ、なに?」

「何って、水たまり。」

「えっ?」

蓮の目線を追うと、さっき私が歩いてた目の前に、大きな水たまりがあった。


「あ、、ありがと。」

「ん。あんまぼーっとすんなよ。」


そう言って、蓮は私の腕を離した。


< 116 / 448 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop