もう君がいない


なにやってんだろ、私。


隣で歩く蓮をちらっと見ると、何も気にしてない顔で歩いている。


私だけ、、

私だけこんな変に意識しちゃって恥ずかしい。


それに、ちょっと悲しくもある。

蓮が、何も気にしてないってことが、何も感じてないってことが、、


本当、何言ってんだろ、、。



ピタっと立ち止まる蓮。

前を向いたまま、ため息をついた。


「蓮?どうしたの?」

「それはこっちのセリフ。」

「えっ?」


蓮は私の方を向くと、じーっと私の目を見た。


「さっきからずっと何考えてんの?」

「別にっ、、なんでもないよ。」

「そうは見えないけど?」


蓮の目は、本当に真っ直ぐで。

その目に全て見透かされそうな気がして、私は逃げるように目をそらす。


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