もう君がいない
「あ、俺、宮下光貴。よろしくな、柴崎。」
「ああ、よろしく。」
え、なんか挨拶してるこの二人。
私からすると、少し複雑なんだけど。
「あっ、俺も挨拶したい!俺は里中拓弥!よろしくな〜」
どこからかかけ寄ってきて、蓮と握手までしてる里中君。
「蓮って呼んでいい?あ、俺のことは、拓弥でいあからな!」
「お、おう。」
本当に人懐っこい笑顔の里中君。
蓮は少し戸惑ってるみたいだけど。
「そう言えばさ、なんで蓮は、茉菜ちゃんと知り合いなの?」
ちょっとちょっと、里中君そこ聞く?
さすがだけど、光貴もいるし、、
「幼なじみだったんだ。家が隣で、保育園の時から一緒で。」
「へえ〜、なるほど!幼なじみか〜。いいな〜なんかそういうの憧れる!」
「そうか?」
あ、さっきまで戸惑ってたのに、もう蓮も笑ってるよ。
打ち解けるの早いな〜。
蓮が、余計なこと言わなくて助かった。
おかげで、光貴はただの幼なじみとしか思ってないよね?
蓮が、中学のとき言ってた、あの人だってこと、気づいてないよね?