もう君がいない
「昨日帰ろうとしたら私の傘がなくなってて、美雪は彼氏迎えに別方向に行かなきゃいけないし、光貴は部活で一緒に帰れないし、それで。」
「誰もいなかったから?蓮君に入れてもらったってこと?蓮君の傘に。」
「あ、うん。家が隣だから、その方が良いだろうって光貴も言ってくれて。」
「よく彼氏の前で他の男の子と相合傘できるね?私には理解できない。」
ごもっともなんだけど、、
亜衣ちゃんの剣幕がすごくて、言い方がツンとしてて、何だか良い気はしない。
「それに、茉菜ちゃん知ってるよね?私が蓮君のこと好きだって。しかも、最近よく二人で帰ってること、私が知らないとでも思った?」
「えっ、、」
まさか、亜衣ちゃんが知ってたなんて思ってなかった私は、驚いて何も言えなかった。
「バレなきゃいいと思ってた?それとも私の気持ち知ってて、わざとそんなことしてるの?」
「そんな、それは違うよ!」
「じゃあ何?なんでこんなこと出来るの?」
「ごめん。」
「謝られたってわかんない!」
感情が高ぶったのか、それともこれが本当の亜衣ちゃんなのか、私は萎縮してしまう。