もう君がいない
どうしよう、、。
蓮を怒らせるつもりなんてなかった。
ただ、亜衣ちゃんへの罪悪感から頼みを聞いた。
でも、それで蓮が嫌な気持ちするかもとか、全然考えてもなかった。
罪滅ぼしのつもりだったけど、それによって、今度は蓮を傷つけたのかもしれない。
悪いのは全部、私。
私が、周りの人をどんどん巻き込んで、みんなを傷つけてる。
「蓮、本当にごめんなさい。嫌な思いさせて、本当にごめん。」
私は、今すぐにでも泣きたい気分だった。
泣きそうになるのをこらえながら、蓮に必死に謝った。
でも、、
「悪い。」
蓮はそう言って、走って家の中へ入って行った。
一度も振り返らず、家の中に駆け込んだ。
その蓮の背中を見ながら、ずっと我慢していた涙が、ポロポロと溢れてきた。