もう君がいない


どうしよう、、。


蓮を怒らせるつもりなんてなかった。

ただ、亜衣ちゃんへの罪悪感から頼みを聞いた。

でも、それで蓮が嫌な気持ちするかもとか、全然考えてもなかった。

罪滅ぼしのつもりだったけど、それによって、今度は蓮を傷つけたのかもしれない。


悪いのは全部、私。

私が、周りの人をどんどん巻き込んで、みんなを傷つけてる。



「蓮、本当にごめんなさい。嫌な思いさせて、本当にごめん。」


私は、今すぐにでも泣きたい気分だった。

泣きそうになるのをこらえながら、蓮に必死に謝った。


でも、、

「悪い。」


蓮はそう言って、走って家の中へ入って行った。

一度も振り返らず、家の中に駆け込んだ。


その蓮の背中を見ながら、ずっと我慢していた涙が、ポロポロと溢れてきた。


< 130 / 448 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop