もう君がいない


私が亜衣ちゃんを連れて入るなんて無理。

亜衣ちゃんが差し入れを渡して、大丈夫?って蓮に近づくのを見てるなんて無理。

笑顔で受け取る蓮も見たくない。


私、本当にこんなに嫉妬深かったんだ。

性格悪すぎでしょ。

また、自分が嫌いになりそうだよ。



「わかった!じゃあ行ってくるね!」

「うん。じゃあ、また明日。」

「うん!ばいばーい!」


笑顔の亜衣ちゃんに背を向け、私は自分の家へと入った。

私が行かないって言った時、心なしか亜衣ちゃんが嬉しそうに笑った気がする。


あ〜もう!!

何考えてるんだろ、私。

本当に最低だ。



私は、そのまま玄関の段差に座り込んだ。


亜衣ちゃん、もう蓮の家に入ったかな?

もう、蓮の部屋に行った?

おばさんが亜衣ちゃんを案内した?

蓮は、亜衣ちゃんが来てどう思った?


考えれば考えるほど辛くなる。


私は、いつも真っ先に自分の部屋に行って荷物を置き、すぐに部屋着に着替えるんだけど、、

今日は、まだ部屋に行きたくなかった。


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