もう君がいない
私の部屋、隣が蓮の部屋だから、、
窓を開ければ、目の前にある蓮の部屋の窓。
だから、その窓の先を気にするのが嫌で、私はリビングのソファーに座り、テレビをつけた。
頭の中で想像してしまう、亜衣ちゃんと蓮の会話をかき消したくて、私はテレビの音量を上げた。
ああ、、泣きそう。
私は、溢れてきそうになる涙を、ぐっと歯を食いしばってこらえた。
決めたんだ。
光貴にきちんと告げるまで、光貴とちゃんとお別れするまで、私は泣かないって。
今回のことで一番辛いのは光貴のはず。
だから、一番悪い私が泣くのは、光貴に失礼な気がした。
いつも何かあるとすぐ泣く私。
昔から人一倍涙もろかった。
いままで、私が泣くたびに、お母さんや蓮、美雪、光貴が私をなだめてくれた。
泣き止むまで側にいてくれた。
でも、今回は誰にも頼っちゃダメなんだ。
ちゃんと、自分で、私自身の力で頑張らなきゃ。
だから、泣いてなんかいられない。