もう君がいない
「この前うちに来た時、亜衣ちゃんに言われたんだよ。好きだって。」
初めて聞く。
だって、次の日学校でも、亜衣ちゃんは全然普通だったから。
何も聞いてなかった。
「ちゃんとはっきり断った。亜衣ちゃんも、わかってくれた。」
「そうだったんだ、、」
「だから、茉菜ももうこんなことしないでほしい。俺のことは、ほっといて。」
ほっといて。
その言葉が、グサッと心にささる。
もう、俺に深入りしてくるなって、壁を作られた感じがした。
本当に、蓮に嫌われたのかもしれない。
蓮が、こっちを向いてなくて良かったかも。
だって、私、今にも泣いてしまいそうなほど、ひどい顔してるから。
「わかった。本当にごめんね。」
「わかってくれたなら、それでいい。」
その時、ホームルームの予鈴が鳴った。
私達の今までの関係に、終わりを告げられたような気がした。
「先に、戻るね。」
「ん。」
私は、慌ててその場を後にした。