もう君がいない


それに、もう一つ。


光貴のことも。


自分の気持ちははっきりしたのに、私は今だに光貴に伝えられずにいた。

「別れよう。」

その一言が、言えなかった。


何度も口にしようとした。

タイミングはいくらでもあった。

でも、毎回毎回飲み込んでしまう言葉。


「光貴を傷つけたくない。」

そんなのは、私が自分を正当化するための言い訳に過ぎない。


そう思ってるのは確かだけど、、


でも本当は、私が意気地なしなだけ。

自分が傷つくのが怖いだけ。



光貴のこと。

蓮のこと。


この二つで、私は本当に気が滅入っていた。

自業自得なんだけどね。


食欲もあまりなく、なかなか寝付けず睡眠不足、何をするにもため息をついていた。


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