もう君がいない


そりゃそうだよな。


4年も経ったんだ、高2なんだ、

茉菜に彼氏がいてもおかしくはない。

むしろ、茉菜ぐらいかわいけりゃ、彼氏がいない方がおかしいくらいだ。


でも、俺は勝手に信じてたんだ。


茉菜は、俺のことを待ってくれてると。

茉菜が、俺との再会を喜んでくれると。


バカだよな、俺。

自意識過剰すぎたか?



それからは毎日が苦しかった。

昔と変わらず茉菜は側にいるのに、でももう手が届かない。

茉菜は、他の男の物だから。


昔のように、俺の側にずっといてくれる。

俺の側を離れず、何をするにも隣にいる。


そんな茉菜は、もういなかった。


茉菜と光貴が笑い合うたび、俺は心の中で泣いてた。

女々しいだろ?

笑えるだろ?


今でも俺は、茉菜が好きで好きで、大好きでたまらないんだ。

茉菜に伝えたくて、茉菜に触れたくて、どうしようもないんだ。


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