もう君がいない
Chapter.3 〜 交差する針 〜
決心
「本当にもう平気?」
「全然平気!ありがと。」
「ならいいけど、あんま無理すんなよ?」
「うん。」
今日の体育のときに貧血で倒れたこと、心配してくれる光貴。
今日はたまたま光貴の部活が休みで、久しぶりに光貴と一緒に帰ることになった。
私は、決心をしてた。
光貴に別れを告げようと。
今日のことがあって、やっぱり蓮が好きだと改めて思った。
これ以上、自分の気持ちに嘘をついて、光貴や周りをだましたまま、ズルズル付き合うのはやっぱりダメ。
今日こそは、光貴にはっきり言おう。
私は、どう話を切り出そうか、何度も何度も考えてた。
光貴が隣で話してるけど、頭の中はそのことでいっぱいで、あまりよく聞けてない。
あんなに大好きだった光貴を、
私にいつも優しくしてくれた光貴を、
私にたくさんの幸せをくれた光貴を、
私なんかのことを好きだと言ってくれる光貴を、
私が、いまから傷つける。