もう君がいない


「そのまんま、花火大会も行くのか?」

「えっ?花火?」

「花火大会の日だろ、試合。」

「あっ!本当だ!」


すっかり忘れてた。

光貴の試合がある日、その日の夜は花火大会があるんだ。

試合のことと、その後に話さなきゃいけないっていうので、花火大会のことまで頭が回ってなかった。


、、あれ?

でも、そう言われてみれば、光貴に誘われてないな。

毎年その花火大会には、光貴と一緒に行ってるんだけど。


だから私も忘れたままだったんだ。

毎年、今年も行くだろ?って、光貴が聞いてくれてたから。


「気づいてなかった?」

「うん。すっかり忘れてた。」

「光貴と約束してねぇの?」

「あ、うん。」


もしかして、光貴も気づいてないのかな?

試合に集中してて、試合のことしか考えれてないのかも。


「なぁ、茉菜。」

「ん?」

「一緒行かない?」

「え?どこに?」

「花火大会。」

「えっ、、?」


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