もう君がいない
この浴衣には、そんな思いがあったから、、
今までこの浴衣を着たことはなかった。
光貴と行く花火大会では、毎年この浴衣を避けていたんだ。
やっと、、
やっと着れるんだね、この浴衣。
この浴衣を着て、蓮と花火大会に行けるんだ。
この時の私は、
光貴に別れを告げなきゃいけないという、重圧と罪悪感。
蓮と花火大会に行けるという、期待と高揚感。
両方の気持ちが入り混じって複雑だったけど、、
でもやっぱり、楽しみな気持ちの方が勝ってた。
やっと決心のついた、吹っ切れたような心は、
久しぶりに軽い気がした。
でもね、、
そんな簡単にはいかなかった。
私がこの時思い描いていた未来は、訪れなかったんだ。
きっと、神様が怒ったんだね。
私ばかり、幸せになろうとしたから。
私に、罰を与えたんだ。